Posture improvement method

姿勢改善法

1日たった1分でできる姿勢改善法

第3回 『深呼吸ストレッチで姿勢を変える!』 Date:'17.07.10 文責/末永晃二


前回の内容で、常に頭に重しを乗せたイメージで生活し、
正しい姿勢を日常的に「意識」すれば姿勢は改善されるとお話ししました。
今回は、正しい呼吸をマスターして「無意識」に姿勢を改善していこうというお話しです。

まずは姿勢と呼吸について。


呼吸とは皆さんご存知の通り空気を吸って吐く行為。
これにより人間が活動する為に必要な酸素を体内に取り込んで、不要となった二酸化炭素を排出します。
呼吸数は安静時の健康な成人で1分間に約10〜20回。
多い人で1日になんと約28800回も呼吸をしている計算に。
人が生きている間、休む事なくしている呼吸ですが、実は姿勢とも密接な関係があります。

みなさんは背筋を伸ばした姿勢と背中を丸めた姿勢ではどちらが呼吸しやすいですか?
多くの人が背筋を伸ばした方が呼吸しやすいと答えるはずです。

通常、人が空気を吸い込む際には呼吸筋といわれる筋肉を働かせて胸郭(きょうかく)を広げ空気を肺に取り込みます。
胸郭とは肺や心臓などを包む樽状の骨格の事。
胸骨や肋骨、背骨などがそうです。
背筋を伸ばした方が空気を吸いやすいのは、これらの構造が正しい姿勢の時にはスムーズに働きやすくなるから。 反対に、背中を丸めた猫背などの不良姿勢の状態での呼吸は、常に肺が圧迫された状態であり、胸郭がうまく広がらず浅い呼吸に。 例えるなら背中を丸めた時の肺は硬いゴム風船。
硬いゴム風船はなかなか膨らみません。

現代はデスクワークなどで超ストレス社会。
背中を丸めて作業などしている時間が多く、常に肺は圧迫され知らず知らずのうちに浅い呼吸に。 浅い呼吸が日常的になると胸郭の関節が動かずに固まってきます。

この関節は胸郭の前後に多数あるので、
ひとたび固まってしまうと背筋が伸びにくくなり姿勢もどんどん悪くなります。

浅い呼吸→胸郭が広がらない→関節が固まる
→猫背など不良姿勢に→さらに浅い呼吸
このようにかなり悪循環。

そこでこの悪循環を解消する為の深呼吸ストレッチをお教えします。





<< 実 践 編 >>

固まった関節と呼吸筋を同時に伸ばしましょう。
すると日常的に深い呼吸ができるようになります。
毎日の呼吸が深くなれば、無意識のうちに姿勢が良くなっていきますよ。

では早速やり方です。

①まず仰向けに寝て踵をお尻に近づけて両膝を立てる。

②左脚を持ち上げて右脚に脚を組んだら、組んだ脚が解けないように右側に倒す。

③上半身を左側にひねり胸郭を開かせる。

④肋骨同士の間隔を広げるように左腕を斜め上方に伸ばす。

⑤最後にこのポジションをキープしたまま深呼吸。

深呼吸は左肺に空気を入れるのを意識して5秒間吸ってから10秒間かけてゆっくり吐く。

息をゆっくり吐いてる時に肋骨の隙間の呼吸筋がじわーっと伸びるのでそれを少しだけ感じれればOK。


反対も同じようにします。
これを毎日2セットずつ。

第2回 『頭上運搬背筋矯正 〜伸ばすな、重しを乗せるべし〜』 Date:'17.06.05 文責/末永晃二


良い姿勢を脳に覚えさせればよい、と前回お話しました。
いよいよそのやり方に入っていきます。

やり方は超簡単。

毎日ストレッチや筋トレをするのはなかなか大変ですが、
この方法は気がついた時に姿勢を正すだけなので最も効率的で楽な姿勢矯正の方法であると言えます。
おまけに姿勢を正そうとする行為自体、ストレッチ&筋トレ効果も同時にあるので一石三鳥です。

まず最初にする事は良い姿勢を自身にインプットさせる事。
まずは頭に乗せる重りを準備します。


身近にある物だと
新聞紙だと10部〜15部の束。
週刊誌だと6〜8冊ぐらい。
その他、頭に乗せてみて少しずっしり感じる安定するものでしたらなんでもOK。
ちなみに貴重な壺とか絶対やめて下さいね。

ではさっそくやってみましょう。
①まず、立った状態で用意した重りを頭の上に乗せて1番楽に感じる姿勢にします。
それで位置がしっかり決まったら30秒キープし、脳裏に今の姿勢と頭に乗っている重さを記憶します。
この時のポイントとして両手は重りにしっかり添えて同時に胸を張り、目線は水平にして下さい。

②次は椅子に座った状態で30秒キープし同じようにします。

たった合計1分間程度ですが背筋がピンと張れていたと思います。
この姿勢こそがあなたにとって最良の姿勢。

次のステップはその脳と体に記憶させた最良の姿勢を日常生活で思い出した時に実践するだけです。
最初は30分に1度ぐらい姿勢を正します。

その時30秒はキープしないとストレッチと筋トレ効果はないので気をつけて下さい。
慣れると常に頭に重りがイメージでき、歩いてる時にでも姿勢を意識し姿勢はすごく改善されます。

姿勢を改善させるのは本人の姿勢を正そうとする意識が必要です。
そしてその意識は体と脳が正しい姿勢を覚えていなければできません。
その為の頭上運搬背筋矯正法なのです。

日本人は欧米人に比べて姿勢が悪くなりやすい民族です。
何もしなければどんどん背中が曲がって行く一方。
この方法を使って日常生活での姿勢を常日頃から意識して頂き、
将来のあなたの健康のお役に立てればと思います。

第1回 『姿勢が悪いと10歳は老ける』 Date:'17.06.05 文責/末永晃二


ふと街中を歩いていると「あの人姿勢悪いな」と思った事はありませんか?
他人事ではありません。
油断してるとあなたも近い将来そのような姿勢になるかもしれません。
いえ、もうすでになってるのかも。

ここでは不良姿勢の代表、猫背のデメリットと原因、身近なものを使った簡単にできる改善方法を紹介していきたいと思います。

まず猫背について皆さんはどのような印象を受けますか?
自信がなさそう、暗い、老けて見られるなどがまずは一般的ですよね。

それに加えて実は美容面でも猫背が原因の1つだと言われるものがあります。
首肩周りのリンパの流れの悪さによる二重アゴ、顔のシワやたるみなどです。
さらに猫背のように日常的に背中が丸いと、肺や背骨を通る自律神経などを圧迫して内臓機能に影響を及ぼし様々な体調不良なども引き起こす可能性があります。

太りやすい人も姿勢の悪さからくる基礎代謝量の低下とも言われています。
このように言い出したらきりがありません。
猫背は万病の元とはよく言ったものです。
だからこそ猫背は治さなければいけません。

ではなぜ人は猫背になるのでしょう?
人間の頭の重さは体重の約10%程。
50kgの人だと頭だけで約5kg。
5kgといえば
ボーリングの玉11ポンド
お米5kg
スイカMサイズ
など。

こんな重い物を、背中を丸めたデスクワークやスマホ操作、顔を下向きにする家事などで、
猫のように丸くなった首や背中に長時間乗せているわけですから、人が猫背になるのを想像するのは容易だと思います。

猫背の方が楽と言う人は脳が誤認し「これが当たり前の姿勢だ」と悪い姿勢がクセになっている可能性があります。

楽な姿勢=良い姿勢
なんてのは大きな間違いです。

ではいったい良い姿勢とはどのような姿勢でしょうか?
昔からよく言われているのが「頭のてっぺんを上から糸で吊るされてるような姿勢」です。
確かにそのような姿勢は、背筋も伸び良い姿勢には間違いないのですが、
皆さんは実際に頭のてっぺんを糸で吊るされた事がありますでしょうか?
やった事もないものを日常的に意識するのはなかなかできるものではありません。

姿勢を改善させるのに1番大切なのは「姿勢を正そうとする意識」です。
意識1つで悪いクセを良いクセに変えることができます。

最近日本では見かけませんが昔の人は重い物を頭で運ぶ頭上運搬という風習があります。
今でも海外やテレビなどではよく見かける光景ですがその人達は必ずと言っていいほど背筋がピンと張ってます。
しかも華奢なアフリカ人の女性が多い。
この女性達はなんと30Kg以上の物を数km運ぶとか。
なぜこのような事ができるかと言うと、重い荷物を頭で運ぶこの姿勢こそが人類にとって最良の姿勢だからです。
厳密に言うと、地球の重力における重さを筋肉ではなく、理想的な背骨の湾曲で支えているのです。
もちろんこの人達は良い姿勢のクセが身についてるので猫背にもなるはずがありません。
本当に良い姿勢とはこの事なのです。

いよいよ次回から、良い姿勢を脳に覚えさせ、悪い姿勢を簡単に改善できる簡単な方法を紹介したいと思います。